WiMAXと格安SIMの併用がベスト?互いの弱点を補い有り余るメリット
「これ一つで!」「これ一本で!」はとても魅力ある響きですよね。
実際、さまざまな商品やサービスのキャッチコピーによく使われるフレーズです。
ただし、本当にあらゆる状況をひとつの商品でカバーできるケースは稀かもしれません。
このサイトのテーマであるポケットWiFiによるインターネット環境も、その最たる例といえます。
2017年現在、乱立と言っていいほどたくさんの業者が思い思いのサービスを打ち出し、覇権争いを行っているのは、市場の大きさもさることながら多様なニーズを満たす形が一つでないことの証とも考えられます。
事実、モバイルWiFiの代表格であるWiMAX2+にしても、残念ながら完全無欠のサービスではありません。
理想的な無線のネット環境をつくるには、他のサービスで弱点を補うことも重要です。
結論を先に書くと、モバイルネットの理想的な形として「WiMAXと格安SIMの併用」はかなりおすすめの組み合わせです。
WiMAXと格安SIM併用の3つのメリット
ポケットWiFiと格安SIMを併用するメリットは、以下の3つです。
- 理想的な役割分担ができる
- 思ったほど高くならない
- 全国のエリアをほぼカバーできる
理想的な役割分担ができる
モバイルWiFiと格安SIMは、お互いに得意分野があります。
まずモバイルWiFiですが、通信速度が速いことと、大容量の通信ができる点ですね。
あくまで最大速度での話ですが、WiMAX2+は最大708Mbps(下り)、ワイモバイルは最大で612Mbps(下り)を出せるルーターの機種があります(ルーターのモデルによって最大速度が変わります)。
これに対して格安SIMは、ドコモやauの回線を借り受けて運営しているMVNOという形態になり、速度は基本的にキャリア元に準じたものになりますが、契約内容や設備の違いで、業者間にかなり開きがあります。
また、昼時など混雑する時間帯は極端に通信速度が下がる場合も。
格安SIMでは老舗で大手のIIjmioですら、混雑時の速度低下が問題に挙げられていたほどです。
また、通常時の速度でもせいぜい数十Mbpsといったところなので、ポケットWiFiに比べれば圧倒的に不利です。
どちらに何を任せるか?
思ったほど高くならない
え、2つも契約したら料金が高そう・・・ と思ってしまう方もいるかもしれません。
ですが、WiMAXと格安SIM両方を契約しても実はさほど割高にはなりません(とはいえ、契約プランによって料金が大きく異なる格安SIMの内容にもよりますが)。
あと、何と比べて高いか安いかについては、まずは最も多くの人が利用している大手携帯キャリア「ドコモ」の料金と比べてみます。
携帯キャリア(ドコモ)だけの料金
基本プラン | 1,700円(カケホーダイライトプラン) |
---|---|
ネット接続サービス | 300円(spモード) |
パケットパック | 6,000円(ウルトラデータパック20GB) |
合計 | 8,000円 |
上記の平均的なプランですと、ひと月8,000円の料金になります。
これに、継続使用による割引「ずっとドコモ割」を適用しても、最大(15年)利用で800円割引なので7,200円。
まあ、相変わらず高いですね。
。
。
これに対し、ポケットWiFiと格安SIMの組み合わせですが、業者やプランが幅広いので代表的なものを3つ挙げてみました。
WiMAX2+と格安SIMの料金例1
WiMAX2+(Broad WiMAX) | 2,726円(ギガ放題プラン) |
---|---|
格安SIM(mineo) | 2,280円(Dプラン5GB) |
合計 | 5,006円 |
WiMAX2+と格安SIMの料金例2
WiMAX2+(GMOとくとくBB) | 3,609円(ギガ放題プラン) |
---|---|
格安SIM(楽天モバイル) | 2,960円(10GBプラン) |
合計 | 6,569円 |
WiMAX2+と格安SIMの料金例3
WiMAX2+(Broad WiMAX) | 2,726円(ギガ放題プラン) |
---|---|
格安SIM(イオンモバイル) | 4,980円(20GBプラン) |
合計 | 7,706円 |
下のプランほど格安SIMの契約GB数が多いプランですが、ドコモと同じ20GBのプランとWiMAX2+を足してもドコモより安いってすごくないですか? WiMAXはよほどエグい使い方をしなければ使い放題も同然ですし、これに音声通話も普通にできる格安SIMをつけてこの値段なので、もはや大手携帯キャリアが勝っているのは歴史とブランド力だけだと思います。
全国のエリアをほぼカバーできる
都市部に強くて速度の早いポケットWiFi、全国に広がる大手キャリアの通信網で安定している格安SIMと、この2つがあれば日本のエリアで困る部分は少なくなります。
たとえばポケットWiFiだけだと、地方の山間部やコンクリートの屋内などは電波が届きにくいので不便な思いをすることもあります。
テザリングはいよいよ全キャリアが有料になりそうですし、基本的に定額サービスのポケットWiFiを持つのは「全国どこでも通信できる」快適さ、安心感につながります。
逆に併用で注意する点は?
逆に2社契約のデメリットについてですが、インターネットを主に何にどれくらい使うか、によって併用が不利になるケースも考えられます。
格安SIMの2枚持ちのほうが有利な場合も
格安SIMは業者にもよりますが、ひとつの契約で2枚など複数枚を持つこともできます。
たとえば、動画やゲームなどをそこまで長時間はやらないけど、スマホとタブレットを持っている場合などはどちらもSIMでの利用のほうがいいかもしれません。
ドコモやau、または固定のネット回線より安いWiMAXとはいっても、月3,000円前後の費用はかかります。
たとえばタブレットでの利用が毎月5GBもいかないくらいなら、そのためにWiMAXを契約するよりもデータ使用量にぴったり合った格安SIMのほうが安く運用できます。
例として、3,000円前後の格安SIMならどれくらい通信ができるか表にまとめました。
月3,000円前後でどれくらい通信できる?
MVNO名 | 料金 | 通信量 |
---|---|---|
LINEモバイル | 3,220円 | 10GBまで |
楽天モバイル | 2,960円 | 10GBまで |
DTI SIM | 2,900円 | 使い放題 |
イオンモバイル | 3,200円 | 12GBまで |
IIJmio | 3,260円 | 10GBまで |
BIGLOBE SIM | 3,400円 | 12GBまで |
nuroモバイル | 2,800円 | 9GBまで |
mineo | 3,220円 | 10GBまで |
Y!mobile | 2,980円 | 6GBまで |
DMM mobile | 2,890円 | 10GBまで |
OCN モバイルone | 3,000円 | 10GBまで |
nifmo | 3,500円 | 10GBまで |
UQモバイル | 2,680円 | 使い放題 |
b-mobile | 3,180円 | 25GB |
ぷららモバイルLTE | 3,460円 | 使い放題 |
フリーテル | 2,840円 | 8GB |
だいたい3,000円も払えば10GB前後、中には完全に使い放題になるような格安SIMもあります。
この現状からも、あくまでポケットWiFi系は、データを毎月たくさん消費する通信をする場合に有利になると考えればOKです。
WiMAXと格安SIMがセットで安くなるプランも
WiMAXと格安SIMの両方をサービス展開しているUQですが、この2つをセットにした「ウルトラギガMAX」というプランがあります。
プラン的には、無料通話つきの格安SIMプランとWiMAXのギガ放題をひとまとめにして月額6,360円から、というもの。
SIMのプランは通信量を増やすほど料金があがりますが、このプランならWiMAXは実質使い放題なので、必要最小限のGBですみます。
携帯キャリアでもソフトバンクのウルトラギガモンスタープラス(最大月50GB)やauのスーパーデジラ(最大月30GB)などの大容量データプランがありますが、どちらも使い放題ではないですし料金も割高です。
WiMAXと各社大容量データプランの比較
サービス | 月の通信量(最大) | 料金 |
---|---|---|
WiMAX | 上限なし | 3,609円 |
ドコモ | 30GB | 8,000円 |
au | 30GB | 8,000円 |
ソフトバンク | 50GB | 5,980円 |
改めて比べてみると、WiMAXの優位性が一目瞭然ですね。
3日で10GB以上使ったら通信制限で若干速度が落ちますが、よほどヘビーに使わなければ超えない通信量ですし。
さらに、このウルトラギガMAXは、光ファイバーの固定回線から乗り換えを考えている方にも魅力があります。
WiMAXはモバイルタイプのWiFiルーターだけでなく、据え置き型で固定回線のように使えるホームルーターもあり、これが光回線から乗り換える方に人気になっています。
ウルトラギガMAXでホームルーターを選択すれば、固定回線+スマホに近い状況でかつ、ひと月のコストを大きく下げることができます。